私が家具修理業を行う今から約30年ほど前、
その当時、月イチの粗大ゴミの日には道沿いに色々な家具が並んでいました。
ソファー・椅子・テーブル・タンス…等々。
修理すれば、また新しく使えるのに、その当時から私が思っていた「今あるものを長く活かす」この考えとは程遠い光景が広がっていました。
そこから時代は流れて、最近「SDGs」という言葉を頻繁に見聞きするようになり、 これまでの「使い捨て」の流れを止めて、 新しい価値観が広まると同時に、私の思いと重なる時代になってきました。
また私自身は、これまで建築士としてこの業界に携わっていましたが、ここでも「空き家問題」が年々問題となっていました。
しかし、それでも新しい建物を作り供給する事に 疑問を感じ、「今あるものを長く活かす」ため、視点を変えてリフォーム業界に目を向けましたが、 “壊して新しく作る”といった内容が多く、 体質としては利益重視で、私が思い描いていた様な世界ではありませんでした。
そんな頃、夕方ふと見た番組で目にしたのが補修業の業界でした。
壊れた椅子を修理して蘇らせる。 そしてそれを喜んでくれる方がいる。
この光景に心を打たれ、自分の思いを実現させるため、 当時なんのツテもありませんでしたが補修業界に飛び込んでみました。
そこでは、私達が修理する事で、 本来であればゴミになる運命だった家具やバックが 再度活躍できるようになり、それを喜んで頂ける。
また、補修やリメイクの完成形をイメージしながらの作業はとても楽しく、 家具をお届けする際のお客様の喜ぶ顔をイメージするとがぜんやる気が湧いてきます。
全く同じ補修はありませんので、当然うまく行かない事もありましたが、失敗を糧にして技術を上げ、現在の補修技術を習得しました。
「ものを大事にしたい」
「修復してくれてありがとう」
というお客様の言葉を糧に 今日まで行動しています。
30年前、修理すれば使える家具が捨てられている光景を見た日から 建築業、補修業を通して、多くの経験。そして技術を磨いてきました。
これからも家具補修を通して お客様のご要望に真摯に対応していき、「今あるものを長く活かす」 この思いをこれからも実現させて、次の時代に繋げていく。
これが私の使命です。