家具補修業を行う前に私は、長く建築業界で設計士として新築建物の設計・監理に携わってきました。
新築物件に携わって多くの引き渡しに立ち会いましたが、その反面、福岡の空き家は現在33万戸を超えています。
まだ住める家・部屋がまだ沢山あるのに、それでも更に建物を建てていく…
そんな矛盾を考えながら設計の仕事を続けていくことが次第にストレスになっていきました。
それならと空き家や中古の建物を活かすリフォーム業界に目を向けてみましたが、中古物件を販売する為に、古いものを壊して新しいものと入れ替え、利益を上げる為に入れ替える範囲をより多く提案していく…
古くなった建物を解体して新築物件を建てる事と大きくは変わらないと感じました。
建築の仕事に対してそんな気持ちが大きくなって行く中、ふと見た夕方の番組で目にしたのが補修業の業界でした。
壊れた椅子を修理して蘇らせる。そしてそれを喜んでくれる方がいる。
なんのツテもありませんでしたが飛び込んでみた補修の世界、そこは大きな可能性を感じる世界でした。
例えば、
結婚して以来長年使ってきた椅子のリメイク。
疲れた体を包んでくれる慣れ親しんだソファーの張替え。
いつも家族団らんの中心にあるテーブルのキズ補修。
大人になった娘へ愛用のバッグを引き継ぐ為のメンテナンス
などなど。
お客様から多くの「ありがとう」を頂き、自信とやる気をたくさん与えて頂きました。
しかし、順調にスキルを磨いていく中、突然の前代表の金銭トラブルに巻き込まれ、この仕事を続けて行くのは難しい状況になりました。
でもそんな状況から救ってくれたのは、
同じ業界の職人、
取引業者、
そしてお客様でした。
「続けていけるように協力できることはなんでも協力しますよ」
「困った事があったら言ってくれれば出来る限り力になります」
「私はあなたに仕事を頼みたい。だから続けてほしい」
様々な修復をやってきた中で得ていたものは、続けていく勇気を与えてくれるものでした。
そして今回、福岡全域への修復技術の提供を目指し、株式会社エコネクトを設立しました。
まだまだ小さな一歩を踏み出したにすぎませんが、一人一人のお客様の思いに応える為に、支援・応援して頂いた方々への恩返しが出来るように、まだ見ぬ仲間を求めて、目標に向かって進んで行きます。